ではなくて
関西本線の写真情報です。(笑)

TV番組「ナニコレ珍百景」

「登録ならず」がっかり日記

(2014年11月5日放映分に出演)

(番組をご覧にならなかった方にはわかりにくいページですが)


 当店店主が先にご紹介した内容の珍しい鉄道風景を「ナニコレ珍百景」という番組に投稿し、採用されて2014年10月24日に現地で撮影に立ち会った後、11月5日に番組の中で放送されました。
 残念ながら「珍百景」には登録されませんでしたが、撮影の裏話や私の雑感などをご紹介いたします。

 放送された映像はCMを挟んで二部に分かれており、前半のカメラワークや編集は秀逸で私も気に入っていましたが、後半部分の編集に少々不満が残りました。とは言っても鉄道が趣味ではない方が編集をされるので無理もない面もあるのですが、それらをお話する前にもうひとつの珍景をご紹介しましょう。
 
 
 上の写真の貨物列車はロケ当日に現場の踏切で撮影したものですが、よく見ると右側通行をしているように見えますね。これはここが複線区間ではなく、番組でも紹介されたように単線区間の行き違い設備なのです。

 そして手前の線路が「本線」で奥の線路が「待避線」となっており、ここで列車の行き違いがない場合は、上り・下りのどちらの列車も手前の「本線」を通過するので、右側通行をしているように見えるのです。
 


 さて10月24日のロケ当日ですが、午前中に撮影を終える予定だったようですが、珍百景となる現象が列車ダイヤの関係で実現せず、結局以前に私が乗った上り快速「みえ12号」と下り快速「みえ11号」の行き違いまで待たなくては撮影が終わらないことがわかりました。ただし、その30分ほど前に貨物列車で同じ現象が起きることがわかり、テスト撮影の意味で本番と同じようにTVカメラを回すことになりました。

 ところがやってきたのはDE10というディーゼル機関車だけ! 悪いことに踏切待ちの人の姿もありませんでした。何せ田舎の田んぼの真ん中の踏切ですから。(笑) そこで私とスタッフの一人が通行人として踏切を渡るシーンが撮影され、これは番組でも使われましたが、下のように機関車だけが停まっている風景はカットされています。なぜならお客の乗った列車を停めて踏切を人が渡るシーンが欲しかったからです。(汗)

 さらに悪いことには、すれ違うはずの列車は時刻表によると臨時特急で、この日は運転されなかったため、停車していた1両の機関車は踏切が閉じると寂しく発車していきました。
 
 



 番組の中でタイトルやナレーション・私のセリフなどで「電車」という言葉がよく出て来ますが、この路線を走っている列車は電車だけではありません。私もスタッフから渡されたセリフのメモに「電車」と書かれていたので無意識にそのまましゃべってしまいましたが、ロケから帰った翌日にその誤りに気づきました。やはり歳ですねえ。(笑) 

 アフレコの番組ナレーションでも「電車」と「車輌」の両方が使われていましたが、厳密には正しくありません。放送終了後に「あれは電車じゃない!」と鉄道ファンの方からクレームが来ないかとヒヤヒヤしております。(汗) まあマニア向けではなく一般向けの番組なので、編集でも「電車」で通したのでしょう。

 ちなみに「電車」は下の写真のように屋根の上にパンタグラフがついている車両です。この路線の「電車」は最近の車輌によく使われるようなシングルアームのパンタグラフになっています。
 
 
 
 踏切で私は「電車の写真を撮っているような演技をしてください」と指示されましたが、演技だけでなく実際に何枚もシャッターを切っていました。そのシーンは番組でも使われましたが、上の左の写真はその演技の最中に撮影したものです。中には傾いた信号機や電柱だけの写真もありましたが。(笑)



 そしてとうとう本番撮影の時がやってきました。下の写真は問題の列車が停車した瞬間で、まだ踏切は開いていません。私も通行人の役をしなければいけないので、ゆっくり写真を撮っている余裕はありません。

 それでも午前中は人も車もほとんど通らなかった踏切も、この時間帯に限って近くの幼稚園に子供を迎えに行くお母さんが自転車に乗って来たり、少しは賑やかな絵が撮れたようですが車は通りませんでした。(泣)

 この時の列車は「電車」ではなく「ディーゼルカー」だったのです。屋根の上にパンタグラフが見えませんね。けれども一般の方にとっては「電車」でも違和感なく視聴されていたのではないでしょうか? もちろんすれ違いで通過して行った列車も「ディーゼルカー」でした。

 この地域の関西本線は名古屋から亀山までは電化されていますが、その先の参宮線などはまだ電化されていないので、そちらへ直通する快速や特急は「電車」ではなく「ディーゼルカー」で運転されているわけです。
 
 
 番組では下り列車が通過してから、停車していた上り列車が発車するように編集されていましたが、実は上り列車が発車する前にもう一度踏切が開いていたのです。そのシーンは編集でカットされたようです。

 通過列車が通ったあとで踏切を閉じたままで、停車していた列車が発車するのが普通の風景なのですが、ここではもう一度踏切を開いて人や車を通しているようで、それこそが「珍百景」の所以だったのですが。

 HPには書いていましたが私の説明不足でもあり、大事なシーンはカットされてしまいました。それが「珍百景」に登録されなかった原因ではありませんが、考えてみると大阪人の私が愛知県の「珍百景」登録数を増やすことになるので、かえって登録されなかった方がよかったと思っています。(笑)

 またロケ現場の「楽平(よしひら)踏切」での撮影の合間に、隣接駅で「地上で日本一低い駅」の弥冨駅でも色々と撮影したのですが、それらは編集の都合で全部カットされていました。まあ最初は撮影予定には入っていなかったので別にかまいませんが、カメラマンの方は骨折り損だったようです。
 
 



 鉄道ファンの私にとっては珍しい今回放送された風景は、地元の方にとっては当たり前のことで、ほとんど毎日のように見られる現象です。けれども他の地域の人たちには「どうして電車を停めてまで人や車を先に通す踏切があるの?」と不思議がられる風景だと私は思います。

 番組で珍百景認定のボタンを押さなかった審査員の方は「ここでは普通なんでしょ?」とおっしゃっていました。確かにそうなんですが、この番組はそんな「ある地域では普通に見られるけれど、他の地域から見たら大変珍しい風景」を発掘するのも目的だと思います。

 珍しい祭りであってもその地域では毎年行われる「普通」のことであったり、変わった出来事でもそこでは毎朝見られる風景だったりします。それを「ここでは普通でしょ?」と片づけられてしまっては、番組の意味も薄れてしまうのではないでしょうか?

 以前に放送された「大阪・上本町地下の長〜いカウンターの居酒屋」など、私も何度も飲みに行っており、別に珍しい風景とも思いませんでしたが、確か「珍百景」に登録されたと記憶しています。

 まあ今回は先述のように、大阪人の私が愛知県の珍百景登録数を増やすことにならなくて「よかった、よかった!」という感じでおしまいにしましょう。でないと大阪の皆さんに申し訳ありませんから。(笑)

 なお、このページはそのうちに消滅する予定です。自動的にではありませんが。(爆)
 
 
下の写真はロケが終わってから名古屋駅ホームのきしめんスタンドで一杯
呑んでいた時の窓の風景です。呑みながらも撮影をするプロ根性!(笑)
(影の声:単に酒が好きなだけ)







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