(21) カンパネルラ

「カンパネルラ、僕たち二人っきりになっ
たねえ。どこまでもいっしょに行こう。僕
はあのさそりのように、ほんとうにみんな
の幸せのためならば、僕のからだなんか百
ぺんやいてもかまわない」ジョバンニは、
ああ、と深くため息をつきました。
「うん、僕だってそうだ」カンパネルラの
眼にはきれいな涙がうかんでいました。






銀河鉄道の夜の世界へ