(22) ブルカニロ博士

ふりかえるとカンパネルラの姿はなく、ジ
ョバンニはわっと泣き出しました。
「おまえの友だちはね、ほんとうに今夜遠
くへ行ったのだ。おまえはもうカンパネル
ラをさがしてもむだだ」やさしいセロのよ
うな声が聞こえ、さっきまでカンパネルラ
のすわっていた席に、黒い大きな帽子をか
ぶった人が笑ってすわっていました。






銀河鉄道の夜の世界へ