(23) 丘をおりる

気がつくとジョバンニは天の川がずっと遠
くはなれた丘の上に立っていました。
「ああ、死んだカンパネルラをいくらさが
してもむだなんだ。生きている間はみんな
の幸福のために、美しい心でいよう」
ジョバンニは走って丘をおりました。いろ
いろなものが胸に集まって、かなしいよう
な新しいような気がするのでした。






銀河鉄道の夜の世界へ