(11) 家庭教師
にわかに客車の中にりんごのにおいがあふ
れ、つやつやした黒い髪の六つばかりの男
の子と12くらいのかわいい女の子を連れ、
黒い洋服をきちんと着た、背の高い青年が
あらわれました。青年は二人の子供の家庭
教師で、男の子のぬれたような黒い髪をな
で、みんなをなぐさめながら、自分もだん
だん顔がかがやいてきました。
銀河鉄道の夜の世界へ