(16) 峡谷へ下る
汽車は高いがけの上を走っていて、谷底に
は幅ひろい川が明るく流れていたのです。
「ええ、もうこの辺から下りです。この傾
きがあるもんですから、汽車は決してむこ
うからこっちへは来ないんです」どんどん
どんどん汽車はおりて行きました。がけの
はしに鉄道がかかるときは川が明るく下に
のぞけたのです。
銀河鉄道の夜の世界へ